行い手の場合
音楽の行うこと、楽器を演奏したり声に出して歌うことは、自己表現に飢えていたり、作品を深く極めたい人に向いています。ある一つのピアノ協奏曲を例にとったとき、100万回聴くことはたしかに理解を深めます。しかし実際に自分の手でその曲を演奏することは、曲の新しい一面を見つけることでしょう。演奏を成功させるために、まずは作曲家の残した楽譜を読み取らなければなりません。ピアノで現実に音を奏でなければなりません。雰囲気を再現するために、曲のできた経緯などを知る必要があります。そのためには各種文献や作曲家の人生を調べることもあるでしょう。過去の作曲家から託された曲を再現することは、その作曲家の魂に同化することを意味します。それは、プロの批評家を除いては、聴くだけでは到達が難しいレベルの理解です。
また、趣味といえども自分で曲を作る人もいるでしょう。自分のなかにある欲求に従って曲を完成させ、人前で発表することほど自己充足感を満たす方法は、他にはなかなかないでしょう。